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チャイルドレスキューセンター主催 スマトラ沖地震チャリティー活動  活動報告1
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活動報告 チャイルドレスキューセンター所長 草間裕子 2005年3月
この度のインドにおける津波被災地域救援活動については、大変多くの皆様・法人様のお力添えを頂戴して無事に遂行することができました。まずはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。現地での活動報告日誌収支報告は別ページで掲載しておりますが、こちらでは全体を振り返った総括を述べさせていただきます。

まず被災から2ヶ月経った現地は仮設住宅も建ち並び復興に向けての準備が着々と進められているようでした。給水タンクなどの設置・活用はされ、日々のライフラインの確保という基本ベースへの対応はなされていましたが、学校や教会など地域の主要施設の損壊・倒壊によるダメージは大きく残っていました。インフラ整備にはまだまだ時間が必要なようです。

今回の活動においての成果と特長として、以下の点をご報告申し上げます。

(1) 地理
今回はケララ州のみでの活動を当初予定しておりましたが、現地入りしますと隣のタミルナドゥ州カンニャクマリ県の被災度合いの深刻さも大きいものだと明らかになりました。そのため滞在前半をケララ州、後半をタミルナドゥ州で活動することに致しました。徒歩・車・ボートなどを駆使したインド国内の移動距離は1500kmを超え、直接出会うことのできた子ども達は1,800人以上です。限られた日数内でなるべく多くの地域へ皆様のあたたかい思いをお伝えすることができたのではないかと思います。

(2)  場所
訪れた場所は被災キャンプ、孤児院、教会、SOSセンター、市庁舎、小学校など多岐に渡りました。初めての場所で非政府組織である個人の私達がこれだけスムーズに動けたというのは奇跡的なことだと思います。こちらの気持ちをまっすぐに受け止めてくださる方々のご協力の賜物だったと感謝しています。それぞれ異なるニーズを抱えた場所を訪れることにより、活動が多角的に広がりました。


ユニセフ給水タンクから

仮設住宅
(3)  もの
今回はキャンディー(日本から持参・現地で購入)、チョコレート(日本から持参)、文具(現地で購入)などの物資と寄付金の両側面からの支援を行いました。

現地での購入というのは地場産業への支援を考えておりました。経済が円滑に回り保護者層の経済基盤が固まっていくことが、子ども達の生活の安定へとつながります。そうした意味でも現地通貨での経済活動の発生というのは大きな意味のあることだと思います。


現地のお店で


陳情のため待っている市民
必要最低限の基本的な衣食住の手当ては災害直後から政府・現地組織等の支援で何とかなっていたようですが、生活に潤いをもたらす「スイーツ」の面からの訪問で、元気に駆け回っている子ども達の笑顔に更に輝きを増した瞬間が訪れたようで、こぼれるような笑顔があちこちで見られることは私達にとって大変嬉しいことでした。

同時に会うことの出来なかった現地の子ども達にも思いを届けるということで寄付金の形をとった場所が5箇所あります。暑い中被災支援陳情に訪れる市民が屋外で列をなして座っていた市庁舎では、寄付金に対し「被災乳幼児のミルク代」と「津波による負傷児童の医療費」に特化した
使用を確約して証明書まで発行してくださいました。復興には目に見えない形でどんどんお金が必要になってきます。そうした時に「財政難」が理由で大切な何かが削られてしまうのは本当に残念なことです。寄付として託したお金がこちらでは計り知れない現地でのニーズに応える一手段となればと思っています。
(4)  時間

復興にはそれぞれ段階があり、被災直後の支援、中期的な支援、長期的な支援といったレベルの違いが存在します。災害直後はメディアの注目などもあり支援も発生しやすい状況ですが、少し社会が回復したところで改めて社会投資して行うインフラの整備などの課題も発生してきます。「とりあえず・緊急」のお手当てが終わった後、現地の裁量でより求められる場所へ求められるものを供給する手立てにこの寄付金が活用されればと思っています。

カンニャクマリでは我が子を2人失った男性とお話する機会がありました。輪廻の思想が脈々と流れるインドにおいて、この男性は「神から一時的にお預かりした子どもが神の元へ戻っていった」とこの状況を受容していました。親としての皮膚感覚から子どもを失った悲しみは深く果てしないものだと思いますが、同時に別の次元で人間がこの大自然の中で間借りさせてもらいながら生きていることを理解している人ならではの強さを感じました。


日本では災害が起こると「災害対策本部」がすぐに設置されてその自然に対抗する策がとられ、マニュアル対応に終始することがほとんどですが、「人と自然の共生」をテーマにした心の復興も考える時期に来ているのかもしれません。インドでの被災状況は厳しいものがありましたが、そこでたくましく生きる人間の生命力を分けていただいたように感じます。

第1弾としての活動は天候や人にも恵まれ大きなトラブルもなく、計画以上の内容を遂行することができました。皆様のあたたかいお気持ちに守られていたお陰様だと存じます。こうした支援活動に大きな思いやりの気持ちを寄せてくださった皆様に心より感謝申し上げます。時機を見て第2弾も行う予定ですので、今後とも引き続きご支援ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。


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