高校卒業後、朝日新聞社主催の英語スピーチコンテストで「不思議の国の子どもたち」という題名で受験戦争が過熱した日本の子育てへの問題提起をして準優勝を頂いたことがありました。
やがて人の子の親となり、自分自身が育児に悪戦苦闘しながら介護も並行していく中で、自分なりの育児に対する思いが現実のものとして確立されていきました。子育てがひと段落して、家族の心身の健康維持のために東洋医学、カウンセリング、アロマセラピー、食餌療法、ホメオパシー、フラワーエッセンスなどの代替療法を含む勉強を行っていく中でマッサージがひきこもりの症例の劇的な改善に役立つ場面に遭遇することが何度もありました。早ければ早いほどその効果が高いことに驚いている時に、ちょうどインファントマッサージに出会うことができました。敬意を持ちながら親が乳幼児に行うマッサージの思想に深く共鳴し、英国でインストラクターの資格取得後に活動を開始し、日本での導入・普及に着手致しました。
これらのインファントマッサージの協会設立・及び日本でのインストラクターを養成する国際トレーナーの立場や組織の枠を超えて行う活動については、チャイルドレスキューセンターで1997年から行っております。また乳幼児期を超えた年齢の子どもたちのマッサージへも取り組んでおります。そして我が子との関係に限定せず、地球レベルで子どもたちを育む活動を推進したいと思っております。
一般社団法人 チャイルドレスキューセンター 所長 草間裕子
私どもでは触育とは「人との触れ合いを通して、人間的成長を遂げること」と定義致しました。
赤ちゃんが生まれる前に子宮の中で一番先に発達する感覚機能は五感の中では触覚だと言われています。そのため誕生後、言葉を覚えるまでのコミュニケーションとして「触れ合い」が大変重要な役割を果たします。皮膚は自分を表現する器官であり、そこには数多くの触受容体が点在しています。この「触受容体」は物の形や大きさ・温度・質感といった物理的な情報だけではなく心理的な情報を媒介する駅としての役割も持っていますので、お父さん・お母さんとの優しい触れ合いを通して、赤ちゃんの知育の発達に加え、情緒の安定も見られます。チャイルドレスキューではこの「触」という行為を通して子どもたちを包括的に慈しみ育むサポートをしていこうと考えています。